「カシオの時計は、永遠に異なる1秒の積み重ねである」計算機のカシオが初の腕時計カシオトロンを発売したのは、昭和49年11月である。次代は自動巻きからクォーツに移行し、さらにデジタルになろうとしているとき。 時計が機械をもたない純粋に電子式製品になるなら、当時電子技術の世界最高水準をいくカシオにとって電子時計はまさに得意分野だったのである。世界初のデジタルウォッチは、昭和47年にハミルトンから発売された。カシオと論は世界初のデジタルウォッチではなかったが、画期的なものだった。それまでの時計が曜日や日付を表示するのに、単純に順番を追って繰り返しているのに過ぎなかったのに対して、カシオは時計を1秒を最小単位とする時間的系列を表すもの、つまり計算機の積算の考えを時計に持ち込んだのである。この考えが発展したのが、大の月、小の月、うるう年を自動的に処理する、世界初の完全自動カレンダーであるカシオトロンの発売から2年後には、カシオは世界初のワールドタイムウォッチ「X-1」を発売する。 さらに、昭和55年には計算機のついた時計「C-80」が登場。計算機メーカーだからカシオが世界初だろうと思いたいところですが、以外にも後発的なのである。その理由は計算機なのだから指でテンキーを押さなくてはならないという計算機メーカーならではのこだわりがあったからである。いいものを安く、ローコストで提供するために量産をする。カシオが作るのだからよりいいものを作る。これがカシオの一貫したポリシーである。その後も防水デジタル、ペースメーカーウォッチ、辞書機能付ウォッチ、湿度測定機能つきウォッチ、耐衝撃性デジタルウォッチなどを次々に開発し、時計メーカーとしての地位を確保してきたのである。 |